不貞が発覚したら最初にやること——証拠保存・やってはいけない行動を弁護士が解説

不貞が発覚したら最初にやること——証拠保存・やってはいけない行動を弁護士が解説

パートナーの浮気が発覚した瞬間、頭が真っ白になり、すぐに相手に連絡を取りたくなる気持ちはよくわかります。しかし、その衝動的な行動が、慰謝料請求を失敗させる最大の原因になることがあります。

男女問題の受任実績が1,000件を超える弁護士として、数多くのご相談に対応してきました。慰謝料請求の成否を分けるのは、発覚直後の数日間の動き方です。ここでは、動く前に必ず確認しておくべきことを解説します。

目次

やってはいけないこと

浮気が発覚したとき、被害者の方がやりがちで、かつ最も危険な行動があります。

やってはいけない行動なぜ危険か
すぐに不貞相手に連絡・メッセージを送る証拠の隠滅や口裏合わせが行われる可能性がある。相手に警戒させ、その後の交渉が困難になることがある
感情的に配偶者を問い詰める不貞の事実を否定されたり、証拠を消されたりする可能性がある
SNSや職場への暴露名誉毀損・プライバシー侵害として、逆に損害賠償請求を受けるリスクがある
証拠が不十分なまま示談交渉を始める相手から「証拠がない」と否定され、請求が困難になる可能性がある

発覚直後は感情が高ぶりやすく、後から証拠を集めようとしても手遅れになることがあります。まずは冷静に状況を整理した上で、以下の準備を進めることをお勧めします。

慰謝料請求に必要な2つの条件

パートナーが浮気をしていたとしても、慰謝料を請求するためには、法的に以下の2つを証明する必要があります。

  • ①配偶者(パートナー)が不貞行為(肉体関係)をしていたこと
  • ②不貞相手が、相手が既婚者であることを知っていた、または知ることができたこと

「怪しいと感じている」「親しそうなやり取りがあった」だけでは、法的な証明として不十分です。それぞれについて、何が証拠になるかを説明します。

①不貞行為の証明——「肉体関係があった」と推認できる証拠が必要

不貞行為の証拠として、最も強力なのは不貞行為中の画像・動画ですが、通常そのようなものは存在しません。実務上は、肉体関係を「推認させる」証拠を積み重ねることで証明します。

証拠の種類有効性注意点
ラブホテルへの入退室を撮影した写真・動画非常に高い長時間の滞在が確認できると◎
LINEやメールの「泊まった」「避妊しなかった」等のやり取り高い消される前にスクリーンショットで保存
位置情報・GPS記録弱い他の証拠との組み合わせが重要
「好き」「会いたい」程度のやり取り弱いこれだけでは不貞行為の証明は困難

「帰りが遅かった」「旅行に行っていた」という事実だけでは、「友人と出かけていた」という言い訳を覆すことが難しいケースがあります。重要なのは「ホテルに行った」「泊まった」「肉体関係があった」ことを示唆する具体的な内容です。

②既婚者であることを知っていたことの証明

「夫(妻)にバレないようにして」「結婚しているのに」などのやり取りがあれば理想的ですが、そこまでの記載がなくても、複数の証拠を組み合わせることで証明できる場合があります。

一方、不貞相手から「既婚者とは知らなかった」と主張されることも多く、この点は慰謝料交渉において争点になりやすい部分です。証拠を丁寧に積み上げることが重要です。

証拠はすぐに保存する——消される前に

証拠の保存は、時間との勝負です。発覚後に時間が経てば経つほど、相手に証拠を隠滅・削除される可能性が高まります。

LINEのスクリーンショット保存

パートナーのLINEをたまたま見てしまった場合、その場でスクリーンショットを取っておくことが重要です。ただし、パートナーのスマートフォンを無断でロック解除して確認するなど、不正アクセス禁止法に抵触する可能性がある方法での証拠収集は避けてください。方法に疑問がある場合は弁護士に確認することをお勧めします。

連絡先の確保

証拠が揃っても、不貞相手の連絡先(氏名・住所・電話番号など)がわからなければ、実際に請求することが難しくなります。LINEのアカウントしか把握していない場合、相手にブロックされると以降の連絡手段がなくなる可能性があります。

相手の身元を特定する方法としては、弁護士を通じた調査・照会が有効です。弁護士は職務上の照会(23条照会)などを使って、一定の条件のもとで相手の情報を調査することができる場合があります。

動く前に弁護士に相談すべき理由

「証拠も揃っているし、相手の連絡先もわかっている。自分で請求できるのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、自分で交渉することにはリスクがあります。

自分で交渉するリスク内容
感情的なやり取りが記録される相手方に録音・記録され、後の交渉で不利な証拠として使われる可能性がある
口約束は証拠にならない「言った・言わない」の問題になりやすく、合意内容を後から否定される可能性がある
示談書の不備清算条項・求償権の扱いが不適切だと、後から追加請求ができなくなったり、予期しない問題が生じたりすることがある
相場を把握できない慰謝料の適正な相場を知らないまま交渉すると、本来受け取れる金額より低い金額で合意してしまう可能性がある

不貞問題は、証拠の評価・相場の判断・示談書の内容まで、専門的な判断が必要な場面が多い分野です。「まず自分で動いてから相談する」ではなく、動く前に弁護士に相談することを強くお勧めします。

よくある質問

Q. LINEのやり取りだけでは証拠として弱いですか?

いえ、むしろLINEのやり取りは証拠として強いです。「好き」「会いたい」程度では弱いですが、「泊まった」「ホテルに行く」「避妊しなかった」といった肉体関係を具体的に示唆する内容であれば、有力な証拠になり得ます。手元にある証拠がどの程度有効かは、弁護士に確認してもらうことをお勧めします。

Q. 配偶者には請求せず、不貞相手にだけ請求できますか?

できます。離婚せずに夫婦関係を続けたい場合、配偶者への請求を行わずに不貞相手にだけ請求するケースは少なくありません。ただし、不貞相手から配偶者に求償権が行使されることがありますのでご注意ください。

Q. 浮気相手の名前しかわかりません。請求できますか?

名前だけでは請求書を送付する住所がわからないため、そのままでは難しい状況です。ただし、弁護士を通じた調査で相手の住所を特定できる場合があります。まずは手元にある情報(名前・職場・SNSアカウントなど)をご持参の上、ご相談ください。

Q. 発覚してからどのくらい時間が経っていますか?時効はありますか?

不貞慰謝料の時効は、不貞行為の事実と不貞相手の両方を知った時から3年です。「もう時間が経ってしまった」と諦める前に、まずは弁護士に確認してください。時効が迫っている場合でも、内容証明郵便で時効を止める手段があります。

Q. 証拠を集めるために探偵を使うべきですか?

探偵(調査会社)の利用は法的に問題ありません。ただし、費用が高額になることも多いですし、必ずしもその費用を相手方に請求できるわけではありませんので、まず手元にある証拠を弁護士に評価してもらい、探偵が必要かどうかを判断してから動くことをお勧めします。手元の証拠だけで十分に請求できるケースも多くあります。

まとめ

パートナーの浮気が発覚したとき、焦って動くことが請求失敗につながります。ポイントを整理します。

  • すぐに相手に連絡・問い詰めをしない。証拠隠滅や口裏合わせのリスクがある
  • 手元の証拠(LINE等)をすぐにスクリーンショットで保存する
  • 不貞行為と「既婚と知っていた」の2点を証明できるか確認する
  • 不貞相手の連絡先(氏名・住所)を把握しておく
  • 動く前に弁護士に相談する

「手元の証拠でどこまで請求できるか」「自分で動いていいかどうか」だけでも、まずはご相談ください。 男女問題を中心に受任実績1,000件以上の弁護士が直接対応します。


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この記事を書いた人

弁護士/心理カウンセラー/夫婦カウンセラー

法律と心、両方の視点から問題に向き合い、「本当に納得できる解決」を大切にしています。
男女問題・借金問題・交通事故など、心の負担が大きいトラブルや人間関係のお悩みに強みがあります。法律実務歴10年以上。安心してご相談ください。

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