自己破産と任意整理はどちらを選ぶ?行き詰まりやすいのはどちらか

自己破産は避けたいので、できれば任意整理で済ませたいとお考えになって、二つの手続の違いを調べていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
任意整理は、借金の元本を3年から5年程度で分割して返し続けることが前提になる手続です。そのため、任意整理を選べるかどうかは、その分割の返済を最後まで続けられるかどうかで決まります。以下、二つの手続の違いと、任意整理を選ぶ前に知っておいていただきたいことをお話しします。
なお、借金・債務整理のご相談は、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。
自己破産は借金の支払義務を免れる手続、任意整理は元本を分割で返し続ける手続です
自己破産は、裁判所を通して、支払いができない状態にあることを認めてもらい、免責の許可を受けることで、借金の支払義務を免れる手続です。原則としてすべての債権者が対象になります。
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉し、将来発生する利息をカットしていただいたうえで、残った元本を分割して返していく手続です。元本そのものが減るわけではありません。
自己破産と任意整理の違い
| 自己破産 | 任意整理 | |
|---|---|---|
| 借金の扱い | 免責が許可されれば支払義務を免れます | 元本は残り、将来利息をカットして分割で返します |
| 裁判所 | 通します | 通しません |
| 官報 | 掲載されます | 掲載されません |
| 資格の制限 | 復権まで、一定の職業に就けません | ありません |
| 財産 | 一定額以上のものは処分の対象になります | 処分の必要はありません |
| 対象にする債権者 | 原則としてすべて | 選ぶことができます |
| 信用情報 | 登録されます | 登録されます |
| 期間 | ご依頼から免責まで6か月から1年程度 | 返済を終えるまで3年から5年程度 |
一覧で比べますと、任意整理のほうが失うものが少なく見えますので、任意整理をご希望になる方が多いのは自然なことだと思います。
任意整理は、毎月の返済を3年から5年続けられることが前提です
任意整理では、利息が止まったあとの元本を、3年から5年程度の分割で返していきます。そのため、ご相談の段階では、収入と支出を伺ったうえで、毎月の返済額を払い続けられるかどうかを確認いたします。
任意整理の途中で返済に行き詰まる方は、少なくありません
ご相談の段階で、毎月の返済額を払い続けられるかどうかを再三確認していても、任意整理を始めてから早い段階で返済に行き詰まってしまう方は、少なくありません。
その多くは、収入が減ったといった事情が後から生じたためではなく、自己破産を避けたいというお気持ちから、もともと払いきれない金額の分割で約束してしまっていたことによるものです。
行き詰まった場合は、自己破産をあらためて検討することになります
任意整理の返済に行き詰まった場合には、自己破産をあらためて検討することになります。
その場合、当事務所では、任意整理の際にお支払いいただいた着手金を、そのまま自己破産の費用に充当いたします。ただ、それまで債権者に返済してきたお金は戻りませんし、手続をやり直す分だけ、解決までの時間もかかってしまいます。
そのため、任意整理をご希望の方にも、返済が続かなかった場合のことを含めてお話しし、無理のない選択をしていただくようにしております。
当事務所でお受けしている手続は、10件のうち7件程度が自己破産です
当事務所でお受けしている手続の内訳は、ご相談10件のうち、自己破産がおよそ7件、任意整理がおよそ2.5件、個人再生がおよそ0.5件です。
ご相談にお越しになる時点では、任意整理をご希望になる方が多いのですが、収入と支出を伺っていきますと、分割の返済を続けていける状態ではない方が多く、結果として自己破産をお選びになる方が多くなっております。
自己破産に対して、何か罰があるのではないか、お子さんに迷惑がかかるのではないか、というご心配をお持ちの方は、債務整理と自己破産は何が違う?もあわせてご覧ください。多くの方がご心配になっていることは、実際にはそのとおりではありません。
任意整理が向いているのは、次のような場合です
もちろん、任意整理のほうが適している場合もあります。
- 資格の制限がかかるお仕事の場合:警備員、保険の外交員、宅地建物取引士、士業などのお仕事の方は、自己破産をしますと復権するまで業務を行うことができませんが、任意整理ではこの制限が生じません
- 保証人がついている借入れがある場合:自己破産では保証人に請求がいきますが、任意整理では対象にする債権者を選べますので、保証人のついている借入れを外して交渉することができます
- 借入れの総額が小さく、返済が明らかに可能な場合
制限を受ける職種につきましては、自己破産をすると転職先に知られる?調べられる手段と、就けない職種に記載しております。
よくあるご質問
自己破産と任意整理のどちらを選ぶかは、失うものの一覧を見比べるよりも、任意整理の分割の返済を3年から5年続けていけるかどうかで決まります。そこを見誤ってしまいますと、かえって時間もお金もかかることになります。
収入と支出、お仕事の内容、ご自宅の有無を伺えば、どちらが合っているかをその場でお話しすることができますので、ご希望の手続を決めていただく前に、一度お聞かせください。
なお、借金・債務整理のご相談は、弁護士会の規程により対面での面談が必要となります。そのため、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。初回のご相談は無料です。








