交通事故の被害に遭われた場合、被害者に過失が無い場合や、重傷の場合は、自分で対応するよりも、弁護士に依頼をした方が、手間がかからず、解決まで迷うことなくスムーズに進む上、納得のいく慰謝料・賠償金・示談金を獲得することができます。
しかし、一般的には、交通事故の被害に遭われた方が、弁護士と縁があるということは、あまり無いように思います。
もし、被害者が弁護士特約に加入していれば、弁護士費用を保険会社が負担しますから、弁護士費用について考える必要はありません。
しかし、被害者が弁護士特約に加入していない場合、弁護士に依頼をしたときに、
● どのくらい費用がかかるのだろうか?
● もしかしたら赤字になるから、かえって依頼しない方がいいかも?
と不安にならないでしょうか。
そこで、この記事では、交通事故の弁護士費用について解説していきます。
まずは「弁特」(弁護士費用保障特約)の確認
まずは、自分が加入している保険に、弁護士費用保障特約(通称「弁特」「弁護士特約」)が含まれているか確認しましょう。
もし、弁特に加入していれば、保険会社にもよりますが、概ね300万円まで、弁護士費用が保障されます。
そして、一般的に、弁護士費用が300万円をこえるのは、後遺障害等級が12級以上になる場合で、獲得金額が1000万円を超えるときなど、かなりの重傷の場合に限られます。
そのため、むちうちなどの軽傷であれば、まず間違いなく、弁護士費用を支払うことなく依頼することができます。重症の場合も、最大300万円まで割引になるわけですから、特約が無い場合とは弁護士費用の負担が全然違います。
しかも、弁特は、一般的に、利用しても保険料は値上がりしません。
ですから、使えるなら、絶対に使ったほうがいいといえます。
大事なのは、まずは、自分が加入している保険会社に電話してみて、弁特が使えるのかを確認することです。
ご自身が加入していなくても、親や家族が加入している場合や、会社も含め、車の所有者が加入している場合には、弁特が使える場合がありますから、あきらめずに確認してみましょう。
交通事故の弁護士費用の項目と相場!
多くの法律事務所が、弁特が利用できる場合と、利用できない場合で、費用の基準を分けています。
以下、弁特が利用できない場合について、解説していきます。
基本的な弁護士費用の項目
交通事故の弁護士費用は主に、
「相談料」
「着手金+成功報酬金」
「タイムチャージ」
「日当」
「実費」
に分かれます。
相談料
相談料は、正式に弁護士に依頼をする前の段階で発生する費用です。
多くの事務所では、時間ごとにお金が発生する設定になっています。
相場は、概ね30分5000円+税(一般的には、所用1時間)です。
もっとも、その分野が得意な事務所であれば、初回相談料は無料とすることが多いです。
そのため、交通事故が得意な弁護士を選ぶのであれば、交通事故の初回相談料を無料としている弁護士を探すのがポイントになります。
もちろん、当職も、交通事故の相談料は無料で対応しております。お気兼ねなくご相談いただけたらと思います。
着手金+成功報酬金
着手報酬制といったりします。
着手金とは、「依頼をスタートするにあたって必要なお金」です。
成功報酬金とは、「依頼が終了するにあたって必要なお金」です。
そして、交通事故が得意な弁護士であれば、結果に自信がありますので、着手金は0円、無料、完全成功報酬制とするケースが殆どです。
ですから、交通事故を依頼するポイントの一つとして、着手金を無料にしている事務所への依頼をおすすめします。
タイムチャージ制
タイムチャージ制は、業務にあたり弁護士が要した時間に応じて費用が発生する、というものです。
この場合、着手金と成功報酬金は発生しません。
相場としては、1時間あたり2万円(税別)となることが多いようです。
日当
日当は、弁護士が現場検証や裁判所などに出向くため、事務所を離れなくてはならない際に発生する費用です。
かかる時間などでも金額は変わりますが、多くの場合、日当は3万円としています。
ただし、そこに交通費が含まれているのか、いないのかで、実際の金額は大きく変わります。この点もよく確認しておきましょう。
実費・経費
実費は、郵送物の郵送代や、交通費などの経費になります。
最初に1万円~3万円ほどが請求され、終了時に精算する、というケースが多いようです。
より具体的な金額は、相談する弁護士に直接確認するのがベストです。
また、これとは別に、
・診断書の開示費用
・訴訟をする際に、裁判所に納めなければいけない費用
といった、場面場面で必要なお金も出てきます。
このような費用が発生する場合は、その都度弁護士から請求がなされることが多いです。
「交通事故被害者サイト」の運用
当サイト経由でのご依頼の場合、基本的に完全成功報酬制、すなわち着手金無料で対応しております。
報酬は、経済的利益の10%+20万円(税別)となっております。
その他、固定実費として、1万円を頂戴しております。
これらの金額については、基本的に、相手方保険会社から支払われる慰謝料等から控除する形になりますので、
ご依頼されるお客様が費用をお振込みされる、ということは基本的にありません。
(例外的に、診断書等の作成・開示費用や、訴訟に移行する場合の費用などは、
先にお振込みをお願いする場合がございます。)
なお、お客様の中には、この基準でも赤字になってしまう場合がございます。
そのような場合に備えて、当サイトでは、報酬の調整も柔軟に行っています。
これまで、物損のみの案件や、通院2日だけの案件、無保険者が相手の案件なども承ってきましたので、
まずは、費用面を気にせず、お気軽にご相談いただければと思います。
まとめ
いかがでしたたか?
最後に、この記事で学んだことを簡単にまとめます。
まずは、弁護士費用保障特約が利用できるかを自分の保険会社に確認する
弁護士費用で損をしない制度がしっかりある事務所に相談する
少しでも被害者が報われる結果になることをお祈り申し上げます。
弁護士 小林 聖詞