後遺障害7級|慰謝料1,000万円・全13号の症状一覧と逸失利益を解説

保険会社から後遺障害7級が認定されたと連絡を受けたものの、「慰謝料はいくらもらえるんだろう」「神経系統の障害で7級が出たが、本当にこの金額でいいの?」「8級や6級と何が違うの?」──こんな疑問を抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
後遺障害7級の慰謝料は、自賠責基準では419万円とされ、弁護士基準では1,000万円とされています。両者には約2.4倍の差があり、これに労働能力喪失率56%による逸失利益が加算されることで、総額数千万円〜1億円規模になることも見られます。
この記事では、元保険会社側代理人弁護士として保険会社の評価実務を内側から知る弁護士が、7級1号〜13号の認定基準・慰謝料の3基準比較・逸失利益の計算方法を、ご相談者目線で解説します。
後遺障害7級とは|重い後遺障害
後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法施行令の別表第二(介護を要しない後遺障害)で1級から14級まで定められています。7級はその中で重い等級に位置し、神経系統「軽易な労務以外不能」・1眼失明と他眼視力低下・手指喪失(3本以上)・足部切断・外貌の著しい醜状などが対象です。
後遺障害7級の症状一覧|1号〜13号の認定基準
| 号数 | 認定基準(条文) |
|---|---|
| 7級1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの |
| 7級2号 | 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 7級3号 | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
| 7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
| 7級5号 | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
| 7級6号 | 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの |
| 7級7号 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
| 7級8号 | 1足をリスフラン関節以上で失ったもの |
| 7級9号 | 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
| 7級10号 | 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
| 7級11号 | 両足の足指の全部の用を廃したもの |
| 7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの |
| 7級13号 | 両側の睾丸を失ったもの |
7級は神経系統「軽易な労務以外の労務に服することができない」(7級4号)・1眼失明と他眼視力低下(7級1号)・1足リスフラン関節以上喪失(7級8号)・外貌の著しい醜状(7級12号)など、重い症状が対象です。
後遺障害7級の慰謝料|弁護士基準1,000万円と自賠責基準419万円の差
| 基準 | 後遺障害慰謝料(7級) | 特徴 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 419万円 | 法律で定められた最低限の補償 |
| 任意保険基準 | 500万円程度(各社非公開) | 保険会社が示談提示で使う社内基準 |
| 弁護士(裁判)基準 | 1,000万円 | 裁判所が採用する基準(「赤い本」記載) |
なお、自賠責保険からの7級の支払い上限は1,051万円です。これは後遺障害慰謝料419万円と逸失利益を合算した枠内の上限額です。
後遺障害7級の逸失利益|労働能力喪失率56%・原則67歳までの計算
後遺障害が認定されると、慰謝料とは別に「逸失利益」が請求できます。計算式は以下の通りです。
逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数
労働能力喪失率は等級ごとに定められており、後遺障害7級は56%です。労働能力喪失期間は、原則として「症状固定時から67歳まで」とされます。7級は1〜13号いずれも原則通り67歳までで計算されるのが一般的です。
外貌醜状(7級12号)の逸失利益
7級12号(外貌の著しい醜状)の場合は、「醜状が直接的に労働能力に影響しない」と評価されるケースが多く、逸失利益が認められない、または期間が大幅に制限される運用が一般的です。ただし、接客業・モデル等の職業や、対人関係への影響が顕著な場合は逸失利益が認められやすく、また慰謝料の増額(醜状慰謝料の上乗せ)として評価されるケースもあります。
計算例|年収500万円のケース
| 症状固定時の年齢 | 就労可能年数 | 計算式 | 逸失利益 |
|---|---|---|---|
| 30歳 | 37年 | 500万円 × 56% × 22.1672 | 約6,207万円 |
| 40歳 | 27年 | 500万円 × 56% × 18.3270 | 約5,132万円 |
| 50歳 | 17年 | 500万円 × 56% × 13.1661 | 約3,687万円 |
7級は喪失率が56%と高いため、年収と就労可能年数によっては逸失利益だけで数千万円〜1億円規模に達します。
7級4号(神経系統「軽易な労務以外不能」)が認定されるケース
7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」は、高次脳機能障害や脊髄損傷で中等度〜重度の症状が残ったケースで認定されます。9級10号「労務が相当な程度に制限される」より重く、5級2号「特に軽易な労務以外不能」より軽い症状が対象です。
- 高次脳機能障害(記憶力・遂行機能の中等度低下)で、簡易な事務作業などの軽易な労務しかできない状態
- 脊髄損傷で中等度の運動・感覚障害が残り、立ち仕事や重作業ができない状態
- WAIS-IV・WMS-Rなどの神経心理学的検査・画像所見・日常生活評価が認定の判断材料
7級と8級・6級の違い
| 等級 | 慰謝料(弁護士基準) | 労働能力喪失率 | 典型的な症状 |
|---|---|---|---|
| 8級 | 830万円 | 45% | 1眼失明・脊柱運動障害・関節用廃・偽関節など |
| 7級 | 1,000万円 | 56% | 神経系統(軽易な労務以外不能)・1眼失明+他眼視力低下・手指喪失(3本以上)など |
| 6級 | 1,180万円 | 67% | 両眼視力0.1以下・脊柱著しい変形又は運動障害・関節用廃(2関節)など |
7級認定のために被害者ができること
- 専門医の検査結果を残す:神経系統は脳神経外科・神経内科、視力は眼科、手指は形成外科や整形外科など
- 高次脳機能障害は神経心理学的検査が必須:WAIS-IV・WMS-Rなどの検査で記憶力・遂行機能を客観的に評価
- 後遺障害診断書の記載は弁護士と確認:認定基準に沿った診断・記載になっているか確認する
7級が非該当・8級にとどまった場合の異議申立て
後遺障害申請の結果が「非該当」だった場合や、「8級にとどまった」場合でも、異議申立てが可能です。新たな医証(追加の神経心理学的検査・画像所見・医師の意見書など)を添えて再審査を求めることで、7級への等級変更が認められるケースもあります。
弁護士費用特約と弁護士依頼のメリット
弁護士費用特約を使えば弁護士費用を自分の保険会社が負担してくれます。7級は賠償総額が大きいため、弁護士基準で交渉することで増額幅も大きく、弁護士費用を差し引いても手取りが増えるケースが多く見られます。
- 自動車保険に付帯していることが多い
- 上限額は一般的に300万円
- 特約を使っても、一般的には保険の等級は下がらないとされています(保険会社により取扱いが異なる場合があるため、ご加入の保険会社にご確認ください)
- 家族の保険に付いている特約が使えるケースもあります
よくある質問(FAQ)
まとめ|後遺障害7級は早期に弁護士へ相談を
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 後遺障害慰謝料(自賠責基準) | 419万円 |
| 後遺障害慰謝料(弁護士基準) | 1,000万円 |
| 労働能力喪失率 | 56% |
| 労働能力喪失期間(全号) | 原則67歳まで(醜状7級12号は争点) |
| 主要な症状類型 | 神経系統(軽易な労務以外不能)・1眼失明+他眼視力低下・手指3本以上喪失・外貌の著しい醜状など |
| 逸失利益(年収500万円・30歳の例) | 約6,207万円 |
後遺障害7級は重い等級で、慰謝料1,000万円+逸失利益で適切に請求すれば総額1億円規模になるケースも見られます。示談書にサインする前に、一度弁護士に相談することが重要なポイントです。
「自分のケースは相談する価値があるかな…」とお悩みの方へ
- 神経系統の障害で7級4号が出たが、慰謝料提示が想像より低い
- 外貌醜状で7級12号が出たが、逸失利益で争いになっている
- 8級から7級への異議申立てを検討している
- 示談書にサインを求められているが、判断材料がない
後遺障害7級の交渉は、相手保険会社の出方を見ながら、号数ごとの認定基準や赤い本基準を踏まえて進める専門的な作業です。一人で抱え込まず、一度ご相談いただければ、ご自身のケースで何ができるかが具体的に見えてきます。
ご相談で受けられるサポート
- 弁護士基準での慰謝料計算(自賠責419万円 → 1,000万円相当)
- 逸失利益の正しい計算(醜状の場合は職業との関連の主張も含む)
- 認定された等級が適正かの診断(より上位等級への変更余地の確認)
- 8級から7級への異議申立てサポート
- 保険会社との示談交渉の代行(精神的負担の軽減)
弁護士費用特約があれば、原則として自己負担なしでご依頼いただけます。
弁護士 小林聖詞は、交通事故で多数の解決実績があります。解決実績はこちら。
初回相談は無料です。「自分のケースは相談する価値があるか分からない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。








