手指の後遺障害|喪失・用廃・指骨欠損の認定等級と慰謝料を弁護士解説

交通事故で手指を失った、機能が失われた、または指骨の一部を失った──。「何級が認定される?」「おや指とその他の指で違うの?」「『用を廃した』とはどんな状態?」──こんな疑問を抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

手指の後遺障害は、症状(喪失・用廃・指骨欠損・遠位指節間関節の屈伸不能)と本数・指の種類(おや指かそれ以外か)によって、別表第二の3級〜14級の幅広い等級が認定されます。この記事では、元保険会社側代理人弁護士として保険会社の評価実務を内側から知る弁護士が、手指の後遺障害認定の仕組みを解説します。

目次

手指の後遺障害で認定される等級一覧

等級・号条文(症状)慰謝料
3級5号両手の手指の全部を失ったもの1,990万円
4級6号両手の手指の全部の用を廃したもの1,670万円
6級8号1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの1,180万円
7級6号1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの1,000万円
7級7号1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの1,000万円
8級3号1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの830万円
8級4号1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの830万円
9級12号1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの690万円
9級13号1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの690万円
10級7号1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの550万円
11級8号1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの420万円
12級9号1手のこ指を失ったもの290万円
12級10号1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの290万円
13級6号1手のこ指の用を廃したもの180万円
13級7号1手のおや指の指骨の一部を失ったもの180万円
14級6号1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの110万円
14級7号1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの110万円

※9級13号は「手指の用廃」を意味する号で、神経系統の障害(9級10号)とは別の症状です。号数の取り違えにご注意ください。


手指の「喪失」と「用廃」の違い

区分定義
手指の喪失おや指は指節間関節以上、その他の指は近位指節間関節以上で失ったもの
手指の用廃手指の末節骨の半分以上を失ったもの、または近位指節間関節(おや指は指節間関節)の運動可動域が健側の2分の1以下に制限されたもの

「喪失」は指の物理的な切断、「用廃」は機能的に使えない状態を指します。同じ本数でも喪失の方が用廃より1〜2段階上の等級が認定されることが多いです。


おや指とその他の指の重要性の違い

おや指(親指)は他の4指と対向して物をつかむ機能を持つため、認定では特に重視されます。同じ本数の喪失でも、おや指を含むかどうかで等級が大きく変わります。

  • おや指1本喪失:9級12号
  • おや指以外の指1本喪失:11級8号(ひとさし指・なか指・くすり指)または12級9号(こ指)

同じ1本の喪失でも、おや指は9級・その他は11級〜12級と、3段階の差があります。


よくある質問(FAQ)

9級13号と9級10号は、何が違いますか?

9級13号は「1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの」(手指の機能廃止)、9級10号は「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」(神経系統の障害)です。同じ9級でも全く別の症状で、号数の取り違えにご注意ください。

指骨の一部を失った場合、何級ですか?

1手のおや指の指骨の一部を失った場合は13級7号、おや指以外の手指の指骨の一部を失った場合は14級6号が認定されます。指骨の一部の喪失は外見上の変形でなく、機能への影響が認定の判断材料となります。

14級7号「遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」とは?

おや指以外の手指の遠位指節間関節(指先に最も近い関節)が屈曲も伸展もできなくなった状態が対象です。骨折治癒後に関節が固まった場合などが該当します。

まとめ|手指の後遺障害は早期に弁護士へ相談を

手指の後遺障害は症状(喪失・用廃・指骨欠損)と本数・指の種類(おや指かそれ以外か)の組み合わせで14級〜3級の幅広い等級が認定されます。号数体系が複雑なため、適切な認定のために弁護士相談が有効です。

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この記事を書いた人

弁護士/心理カウンセラー/夫婦カウンセラー

法律と心、両方の視点から問題に向き合い、「本当に納得できる解決」を大切にしています。
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