後遺障害13級|慰謝料180万円・全11号の症状一覧と逸失利益を解説

保険会社から後遺障害13級が認定されたと連絡を受けたものの、「軽度の等級だから慰謝料も少ないのでは」「14級と13級では何が違うの?」「保険会社の提示金額は本当に妥当なの?」──こんな疑問を抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

後遺障害13級の慰謝料は、自賠責基準では57万円とされ、弁護士基準では180万円とされています。両者には約3.2倍の差があり、これに労働能力喪失率9%による逸失利益が加算されることで、総額数百万円規模になることも見られます。

この記事では、元保険会社側代理人弁護士として保険会社の評価実務を内側から知る弁護士が、13級1号〜11号の認定基準・慰謝料の3基準比較・逸失利益の計算方法を、ご相談者目線で解説します。

目次

後遺障害13級とは|14級の上に位置する軽度の後遺障害

後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法施行令の別表第二(介護を要しない後遺障害)で1級から14級まで定められています。13級は14級の1段階上、12級の1段階下に位置する軽度の等級です。視力低下(0.6以下)・複視(正面外)・歯科補綴(5歯以上)・手指の機能障害・下肢短縮(1cm以上)・胸腹部臓器の障害などが対象です。


後遺障害13級の症状一覧|1号〜11号の認定基準

別表第二の13級は1号から11号まであります。視覚・歯科・手指足指・下肢短縮・胸腹部臓器など、幅広い分野をカバーしています。号ごとの認定基準は以下の通りです。

号数認定基準(条文)
13級1号1眼の視力が0.6以下になったもの
13級2号正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
13級3号1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
13級4号両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
13級5号5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
13級6号1手のこ指の用を廃したもの
13級7号1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
13級8号1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
13級9号1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
13級10号1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
13級11号胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

13級は症状の種類が多岐にわたるため、ご自身がどの号で認定されたのかをまず確認することが、慰謝料・逸失利益の見通しを立てる第一歩となります。


後遺障害13級の慰謝料|弁護士基準180万円と自賠責基準57万円の差

後遺障害13級の慰謝料は、使用する基準によって金額が大きく異なります。自賠責基準57万円と弁護士基準180万円の差は約3.2倍です。

基準後遺障害慰謝料(13級)特徴
自賠責基準57万円法律で定められた最低限の補償
任意保険基準60〜80万円程度(各社非公開)保険会社が示談提示で使う社内基準
弁護士(裁判)基準180万円裁判所が採用する基準(「赤い本」記載)

なお、自賠責保険からの13級の支払い上限は139万円です。これは後遺障害慰謝料57万円と逸失利益を合算した枠内の上限額です。


後遺障害13級の逸失利益|労働能力喪失率9%・原則67歳までの計算

後遺障害が認定されると、慰謝料とは別に「逸失利益」が請求できます。計算式は以下の通りです。

逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数

労働能力喪失率は等級ごとに定められており、後遺障害13級は9%です。労働能力喪失期間は、原則として「症状固定時から67歳まで」とされます。13級は1〜11号いずれも原則通り67歳までで計算されるのが一般的で、14級9号や12級13号のような神経症状の期間制限はありません。

計算例|年収500万円のケース

症状固定時の年齢就労可能年数計算式逸失利益
30歳37年500万円 × 9% × 22.1672約998万円
40歳27年500万円 × 9% × 18.3270約825万円
50歳17年500万円 × 9% × 13.1661約592万円

同じ13級でも、症状固定時の年齢によって逸失利益は大きく変わります。13級は喪失率が9%と相対的に低いため、ライプニッツ係数(67歳までの長期)の影響が金額の決め手になります。

なお、ライプニッツ係数は2020年4月1日以降に発生した事故については法定利率3%基準を使用します。それ以前の事故は旧法の5%基準が適用されるため、事故発生日に応じた使い分けが必要です。


13級と14級・12級の違い

等級慰謝料(弁護士基準)労働能力喪失率典型的な症状
14級110万円5%むちうち神経症状(自覚症状中心)・歯科補綴3歯以上・上下肢の小醜状など
13級180万円9%視力0.6以下・歯科補綴5歯以上・下肢短縮1cm以上・複視(正面外)など
12級290万円14%むちうち神経症状(他覚所見あり)・関節機能障害(軽度)・歯科補綴7歯以上など

歯科補綴で例えると、3歯以上で14級2号、5歯以上で13級5号、7歯以上で12級3号と、補綴本数で等級が分かれます。下肢短縮も同様に1cm以上で13級8号、3cm以上で10級8号、5cm以上で8級5号と、短縮度合いで等級が変わります。


13級認定のために被害者ができること

13級認定に向けて被害者ができることは以下の通りです。

  • 症状に応じた専門医の検査:視力は眼科、歯科補綴は歯科、聴力は耳鼻科、関節は整形外科などで適切な検査結果を残す
  • 後遺障害診断書の記載は弁護士と確認:認定基準に沿った記載になっているか確認することで、認定可能性を高められます
  • 13級と14級・12級の境界を意識:歯科補綴本数や下肢短縮度合いなど、認定基準の閾値を意識した検査記録を残す
  • 事故からの一貫性を医療記録に残す:事故と症状の因果関係が認定の基礎となります

13級が非該当・14級にとどまった場合の異議申立て

後遺障害申請の結果が「非該当」だった場合や、「14級にとどまった」場合でも、異議申立てが可能です。新たな医証(追加の検査結果・医師の意見書など)を添えて再審査を求めることで、13級への等級変更が認められるケースもあります。

ただし、一般的によくある神経症状については、「14級にとどまった」場合は、「12級への異議申し立て」になります。14級では納得できないけど12級ほどでは…というときに13級の申立てができるというものではありませんので、ご注意ください。


弁護士費用特約と弁護士依頼のメリット

「弁護士に頼むとお金がかかるのでは」と心配される方は多いですが、弁護士費用特約を使えば弁護士費用を自分の保険会社が負担してくれます。後遺障害13級は軽度の等級ですが、弁護士基準で交渉することで増額幅が弁護士費用を上回るケースも見られます。

  • 自動車保険に付帯していることが多い
  • 上限額は一般的に300万円
  • 特約を使っても、一般的には保険の等級は下がらないとされています(保険会社により取扱いが異なる場合があるため、ご加入の保険会社にご確認ください)
  • 家族の保険に付いている特約が使えるケースもあります

よくある質問(FAQ)

後遺障害13級の慰謝料は実際いくらもらえますか?

弁護士基準では後遺障害慰謝料が180万円とされています。これに労働能力喪失率9%による逸失利益が加算されるため、年収や年齢によっては総額1,000万円を超えるケースも見られます。13級は1〜11号いずれも原則として症状固定時から67歳までを労働能力喪失期間として計算されます。

13級と14級では、何が違うのですか?

慰謝料は弁護士基準で13級180万円・14級110万円、労働能力喪失率は13級9%・14級5%という差があります。歯科補綴で例えると、3歯以上で14級2号、5歯以上で13級5号と、補綴本数で等級が分かれます。視力も14級は1眼まぶたの欠損等、13級は1眼の視力0.6以下と、症状の重さで区別されます。

13級と12級では、何が違うのですか?

慰謝料は弁護士基準で13級180万円・12級290万円、労働能力喪失率は13級9%・12級14%という差があります。歯科補綴では5歯以上で13級5号、7歯以上で12級3号、下肢短縮では1cm以上で13級8号、3cm以上で10級8号、5cm以上で8級5号と、症状の重さの度合いで等級が分かれます。

14級認定だったが、13級への異議申立てはできますか?

異議申立てが可能です。新たな医証(追加の検査結果・医師の意見書など)を添えて再審査を求めることで、13級への等級変更が認められるケースもあります。1度の認定結果で諦めずに弁護士にご相談ください。

13級の弁護士費用はどのくらいかかりますか?

弁護士費用特約があれば原則として自己負担なしでご依頼いただけます。特約がなくても、後遺障害13級は逸失利益も含めれば賠償総額が大きく、弁護士費用を差し引いても手取りが増えるケースが見られます。まずは無料相談をご利用ください。

まとめ|後遺障害13級は早期に弁護士へ相談を

項目内容
後遺障害慰謝料(自賠責基準)57万円
後遺障害慰謝料(弁護士基準)180万円
労働能力喪失率9%
労働能力喪失期間(全号)原則67歳まで
主要な症状類型視力0.6以下・複視(正面外)・歯科補綴5歯以上・手指機能障害・下肢短縮1cm以上など
逸失利益(年収500万円・30歳の例)約998万円

後遺障害13級は軽度の等級ですが、慰謝料180万円+逸失利益が生じることを踏まえると、過失が無い場合で、適切に請求すれば、治療費を含め総額1,000万円規模になるケースも見られます。一方、保険会社の提示する金額は自賠責基準ベースの低額提示となるのが一般的です。示談書にサインする前に、一度弁護士に相談することが重要なポイントです。


「自分のケースは相談する価値があるかな…」とお悩みの方へ

ここまでお読みいただいて、こんなお悩みをお持ちではありませんか。

  • 13級認定が出たが、保険会社の慰謝料提示が想像していたより低い
  • 14級から13級への異議申立てを検討しているが、何を出せばいいか分からない
  • 歯科補綴の本数や下肢短縮の認定基準が複雑で、自分のケースが該当するか分からない
  • 逸失利益の計算が複雑で困っている
  • 示談書にサインを求められているが、判断材料がない

後遺障害13級の交渉は、相手保険会社の出方を見ながら、号数ごとの認定基準や赤い本基準を踏まえて進める専門的な作業です。一人で抱え込まず、一度ご相談いただければ、ご自身のケースで何ができるかが具体的に見えてきます。

ご相談で受けられるサポート

  • 弁護士基準での慰謝料計算(自賠責57万円 → 180万円相当)
  • 逸失利益の正しい計算(症状固定時の年齢を踏まえて)
  • 認定された等級が適正かの診断(より上位等級への変更余地の確認)
  • 14級から13級への異議申立てサポート
  • 保険会社との示談交渉の代行(精神的負担の軽減)

弁護士費用特約があれば、原則として自己負担なしでご依頼いただけます。特約がなくても、増額幅が弁護士費用を上回るケースが多いため、まずは無料相談で具体的な見通しを確認していただくことをおすすめします。

弁護士 小林聖詞は、交通事故で多数の解決実績があります。解決実績はこちら

初回相談は無料です。「自分のケースは相談する価値があるか分からない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。ご相談の段階で「ご自身で対応したほうがいい」と判断した場合は、その旨を率直にお伝えします。

後遺障害13級でお悩みの方は、示談書にサインする前に、まず一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

弁護士/心理カウンセラー/夫婦カウンセラー

法律と心、両方の視点から問題に向き合い、「本当に納得できる解決」を大切にしています。
男女問題・借金問題・交通事故など、心の負担が大きいトラブルや人間関係のお悩みに強みがあります。法律実務歴10年以上。安心してご相談ください。

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