自己破産するとPayPay・メルペイ・後払いはどうなる?申告と利用の注意

ご相談者様の中には、消費者金融やクレジットカードの借入れのほかに、PayPayやメルペイなどのスマホ決済の後払いや、通販サイトの後払いサービスを使っていらっしゃって、これは借金ではないので自己破産の申立てで申告しなくてもよいのではないか、とお考えになっている方や、自己破産をするとスマホ決済が一切使えなくなってしまうのではないかと心配されている方がいらっしゃいます。
スマホ決済の後払いや「あと払い」は、代金を後から支払う約束をしているという点で、借入れと同じく債権者として自己破産の手続に入り、申立ての際に申告していただく必要があります。一方で、チャージした残高の範囲で使う方法は、手続の中でも使い続けられる場合があります。以下、後払いサービスの扱いと、チャージ残高の扱い、ご依頼のあとに気をつけていただきたいことをお話しします。
なお、借金・債務整理のご相談は、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。
スマホ決済の後払いや後払いサービスも、債権者として申告していただきます
PayPayやメルペイには、チャージした残高で支払う方法のほかに、利用した代金を翌月などにまとめて支払う後払いの機能があります。また、通販サイトなどで、商品を受け取ったあとにコンビニや口座振替で代金を支払う、いわゆる後払い(BNPL)のサービスも広く使われています。
これらの後払いは、サービスの会社が代金を立て替えて、あとからご本人がその会社に支払うという仕組みになっていることが多く、まだ支払っていない利用分は、その会社に対する支払いの義務になります。そのため、自己破産の手続では、消費者金融やクレジットカード会社と同じように債権者として扱われ、申立ての際の債権者の一覧に記載していただくことになります。
一つひとつの利用額が少なくても、申告から漏れてしまうことのないよう、ご相談の際には、お使いのスマホ決済や後払いサービスのアプリを開いて、未払いの残高を確認していただけますとスムーズです。利用している会社名が分からない場合でも、アプリの画面や請求のメールをお持ちいただければ、一緒に確認いたします。
申告しないでおくと、手続の中で問題になるおそれがあります
スマホ決済の後払いは、普段の買い物の延長で使っていることが多いため、借入れだという意識を持ちにくいかもしれません。ですが、借金ではないと考えて申告しないでおくと、手続の中で問題になるおそれがあります。
自己破産の手続では、すべての債権者を平等に扱うことが求められていますので、特定の債権者を一覧から外したり、その債権者にだけ支払いを続けたりすることは認められていません。後払いの分だけはご自身で払っておこうと考えて、ほかの借入れより先に支払ってしまうと、一部の債権者にだけ返済をしたもの(偏頗弁済)として扱われることがあります。
また、知りながら債権者の一覧に記載しなかった支払いは、免責が認められても支払いの義務が残ることがあります。少額だから、借金ではないからと判断せずに、まずはすべてお知らせいただければと思います。
チャージ残高は財産として扱われますが、多額でなければ問題になりにくい扱いです
PayPayやメルペイなどにチャージしている残高は、お金と同じように使うことができるものですので、自己破産の手続では、ご本人の財産の一つとして扱われます。申立ての際には、預金と同じように、残高を申告していただくことになります。
もっとも、日常の買い物に使う程度の残高であれば、多額でなければ問題になりにくい扱いです。残高がどの程度あるか分からない場合には、ご相談の際にアプリの画面で確認していただければ足ります。
一方で、申立ての前に、預金を引き出してまとまった額をチャージしておくといったことは、財産の状況を分かりにくくするものとして、手続の中で説明を求められることがあります。チャージの額や時期につきましては、迷われたときにご相談ください。
後払いの利用は、受任通知のあとに止まることがあります
ご依頼をいただくと、弁護士費用の初回のお支払いのあと(法テラスの立替制度をご利用の場合はご契約の時点)に、債権者に受任通知を送ります。受任通知とは、弁護士がご依頼をお受けしたことと、今後の連絡は弁護士にしていただきたいことを、債権者にお知らせする書面です。
後払いサービスの会社に受任通知が届くと、後払いの機能の利用が止まることがあります。アカウントそのものが使えなくなるのか、後払いの機能だけが止まって、チャージ残高での支払いは続けられるのかは、それぞれのサービスの扱いによって異なります。
チャージ式の残高だけで使う方法は、手続の中でも残る場合がありますので、日常の支払いにスマホ決済を使っていらっしゃる方は、チャージした範囲で使う方法に切り替えていくことになります。ただし、サービスの扱いによっては、チャージ残高での支払いも含めて使えなくなることがありますので、ほかの支払い方法も用意しておいていただくと安心です。
ご依頼のあとは、後払いの利用はお控えいただいております
ご依頼をいただいたあとは、受任通知が届く前であっても、スマホ決済の後払いや後払いサービスは、一切お使いにならないようにお願いしております。
後払いで買い物をすることは、その会社から新たにお金を借りるのと同じことになります。返済することができない状態にあることが分かっていながら後払いを使い、さらにその利用分を支払ってしまうと、一部の債権者にだけ返済をしたもの(偏頗弁済)として扱われることになります。
管財事件で、ご依頼のあとに後払いを使っていたことが分かった場合には、その分の金額を、追加で破産財団に組み入れるよう指示される可能性があります。破産財団とは、債権者への配当などにあてるために集められる財産のことで、管財事件とは、裁判所から選ばれた破産管財人が、財産や借入れの経緯を調べる手続のことです。追加の組み入れを求められると、その分のお金を新たに用意しなければならず、生活の立て直しの妨げになってしまいます。
日用品や食料品など、日々の買い物にお困りになる場合には、チャージ残高や現金、デビットカードなど、その場で代金を支払う方法でお買い求めいただくことになります。
申立ての前に、後払いで買い物を続けることも問題になります
ご依頼の前であっても、返済ができない状態になってから、後払いで買い物を続けてしまうと、手続の中で問題になるおそれがあります。
後払いで購入した商品をすぐに売ってお金に換えたり、ギフト券などを後払いで購入して換金したりすることは、免責の判断の中で不利に扱われるおそれがあります。また、短い期間に後払いの利用が増えている場合には、その経緯をご説明いただくことになります。
すでに使ってしまっている場合でも、隠さずにお話しいただければ、そこから進め方を一緒に考えてまいります。免責の判断で確認されることにつきましては、免責不許可事由があっても免責される?に記載しております。
携帯電話の料金と一緒に支払うキャリア決済にも、注意が必要です
スマホ決済とは別に、アプリやデジタルコンテンツ、通販などの代金を、携帯電話の毎月の料金と一緒に支払う、いわゆるキャリア決済を使っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
キャリア決済の利用分は、携帯電話の料金とあわせて請求されますので、未払いの利用分がある場合には、携帯電話の会社やキャリア決済の会社が債権者になることがあります。携帯電話の料金の滞納につながると、携帯電話そのものが使えなくなってしまうおそれもありますので、キャリア決済の利用状況も、携帯電話の料金の明細とあわせて確認しておいていただくことをおすすめします。
ご依頼のあとは、キャリア決済も、後払いと同じくお控えいただくことになります。
よくあるご質問
スマホ決済の後払いや後払いサービスは、借入れと同じく債権者として自己破産の手続に入りますので、金額が少なくても申告していただく必要があります。チャージ式の残高だけで使う方法は残る場合がありますが、ご依頼のあとは、後払いの利用はお控えいただくことになります。
スマホ決済や後払いサービスの利用が重なってお困りの方は、お使いのアプリの画面をお持ちいただいて、一度状況をお聞かせください。
なお、借金・債務整理のご相談は、弁護士会の規程により対面での面談が必要となります。そのため、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。初回のご相談は無料です。









