免責不許可事由があっても免責される?裁量免責で実際に見られること

自己破産について調べるうちに「免責不許可事由」という言葉をご覧になって、ご自身の借金がこれにあたるのではないかとご心配になっている方もいらっしゃると思います。
免責不許可事由にあたる場合でも、裁判所の裁量によって免責が認められる事案が大半で、その判断では、借金に至った経緯を隠さずにお話しいただくことが、結果として有利に働きます。以下、免責不許可事由の内容と、手続の中で実際に確認されることをお話しします。
なお、借金・債務整理のご相談は、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。
免責不許可事由にあたっても、裁量免責によって免責が認められる事案が大半です
破産法252条1項は、免責を許可しない事由を定めておりますが、同じ条文の2項には、免責不許可事由がある場合でも、破産に至った経緯その他一切の事情を考慮して、裁判所が免責を許可することができるという、裁量免責の定めがあります。
実務では、この裁量免責によって免責が認められる事案が大半で、当事務所でお受けしてきた中でも、申立てまで進めることができた事案で、免責が認められなかったことはございません。もっとも、これは今後の結果をお約束するものではございません。
免責不許可事由には、ギャンブルや投資による借入れ、偏頗弁済などがあります
破産法252条1項に定められている免責不許可事由のうち、主なものは次のとおりです。
- 財産を隠したり、価値を減らしたりした場合
- 特定の債権者にだけ返済した場合(偏頗弁済)
- 浪費や賭博その他の射幸行為によって、著しく財産を減らしたり、過大な債務を負ったりした場合(同項4号)
- 返済できる見込みがないのに、偽って借入れをした場合
- 帳簿を隠したり、偽造したりした場合
- 裁判所や破産管財人の調査に協力しなかった場合
- 過去7年以内に免責を受けている場合
ギャンブルやFX、株の取引が原因の借金は、多くの場合、4号の射幸行為による借入れにあたります。
裁量免責では、借金に至った経緯と、繰り返さないための取り組みが確認されます
免責不許可事由がある場合には、破産管財人が選ばれる管財事件になり、破産管財人との面接で、通帳の記載、破産に至るまでの経緯、借金の原因が確認されます。面接は、通帳を見ながら、この時期に何があったのか、この出金は何に使ったのか、といった形で進んでいくことが多くなります。
面接の時間は、短い場合で15分程度、長い場合には3時間に及んだこともありますが、平均すると1時間程度です。
面接で確認されるのは、どうしてそのような借入れをしてしまったのかという経緯と、同じことを繰り返さないためにどのような取り組みをしているのかという点で、法律の解釈について議論をする場ではありません。
借金に至った経緯は、隠さずにお話しいただくほうが有利になります
免責不許可事由に思い当たることがあると、そのことを伏せておきたくなるお気持ちも分かりますが、経緯はすべてお話しいただくほうが、結果として有利になります。
破産管財人は通帳や取引の履歴を確認いたしますので、報告書に書かれていない出金が後から見つかった場合には、出金の内容そのものよりも、それを報告していなかったことのほうが問題になってしまいます。反対に、経緯が正直に報告されていれば、ご本人にとって話しにくい事情が含まれていても、そのことを厳しく責められるということは、実務上あまりありません。
繰り返さないための取り組みは、ご家族に家計を管理してもらう程度のもので足ります
繰り返さないための取り組みとして、計画書のようなものを作らなければならないのではないかとご心配になる方もいらっしゃいますが、そこまでのものは必要ありません。
実際にあったものとしては、お給料の振込口座をご家族に管理していただき、ご自身では自由にお金を動かせないようにされた方や、借入れの背景に依存的な傾向があったことから、医療機関への通院を始められた方がいらっしゃいます。いずれも特別なことではなく、実際に取り組んでいらっしゃることが伝われば足りております。
借金の原因ごとに、手続の中でお願いすることがあります
- ギャンブルが原因の場合:手続の途中でギャンブルをすることは、生活を立て直そうとしているかどうかの判断に直結しますので、手続の間は絶対に行わないようお願いしております
- 投資やFXが原因の場合:ご依頼のあとは、取引を止めていただくようお願いしております。詳しくはFXの損失で自己破産はできない?に記載しております
- 偏頗弁済にあたる場合:親族への返済や、社内貸付だけを先に返したといったもので、ご本人は良かれと思ってされていることが多く、ご相談の段階で分かることがよくあります。どの借入れをいつ返すかは、ご判断の前にご相談いただくのがよいと思います
免責不許可事由があると管財事件になり、引継予納金として20万円が必要です
免責不許可事由がある場合には、経緯を調査する必要があるため、同時廃止ではなく管財事件になるのが通常です。
その場合、弁護士費用とは別に、裁判所に納める引継予納金が必要になり、東京地方裁判所では原則として20万円です。費用の準備の方法につきましては、自己破産の費用は、全額用意できていなくても依頼できる?に記載しております。
よくあるご質問
免責不許可事由にあたる場合でも、裁量免責によって免責が認められる事案が大半で、手続の中で確認されるのは、借金に至った経緯と、繰り返さないための取り組みです。経緯は、正直にお話しいただければ足ります。
思い当たることがあるからとあきらめてしまわれる前に、一度状況をお聞かせください。
なお、借金・債務整理のご相談は、弁護士会の規程により対面での面談が必要となります。そのため、東京23区にお住まいの方、または東京23区にお勤めの方を対象とさせていただいております。初回のご相談は無料です。









